#44 年収の壁を予算経理が再計算。結局いくら稼ぐのが一番手残りが残るのか?

節税・制度活用

「働き損って本当にあるの?」

「130万円を超えると、どれくらい手取りが減るのか具体的に知りたい」

こんにちは、MKマネーラボのMKです。普段は地方都市の公務員として、予算経理や年末調整の計算業務を担当しています。

毎年、年末調整の時期になると「あ、この人あと数千円低ければ、配偶者控除が満額だったのに……」というケースに多々遭遇します。いわゆる「年収の壁」問題です。

2026年現在、制度の改正や社会保険料の変化に伴い、かつての「常識」は通用しなくなっています。今回は、予算経理の視点で**「最も手残りが多くなる損益分岐点」**を再計算しました。


0. 【経理の結論】2026年、目指すべきは「この2ライン」

結論から言えば、中途半端に壁を意識するよりも、以下のいずれかに振り切るのが「合理的」です。

  1. 壁を意識して守るなら「103万円以下」(税金・保険料の負担ゼロ)
  2. 突き抜けるなら「160万円以上」(社会保険料を払っても手残りが確実に増える)

この間の「106万〜150万円」付近は、実は最も「コストパフォーマンス」が悪いゾーンです。


1. なぜ「働き損」が起きるのか? 2つの正体

情シスが「システムのバグ」を修正するように、家計のバグである「働き損」の正体を分解してみましょう。

① 税金の壁(103万円・150万円)

所得税が発生するラインです。ただし、所得税自体は数千円〜数万円程度。実は家計へのダメージはそれほど大きくありません。

② 社会保険の壁(106万円・130万円)

こちらが「真のモンスター」です。自分自身で健康保険や厚生年金に加入する必要が出てくるため、一気に年間20万円〜30万円単位で支出が増えます。これが「働いたのに手取りが減る」最大の原因です。

あわせて読みたい:

年末調整で損してない?経理担当がこっそり教える「控除漏れ」チェックリスト(#19)


2. 【シミュレーション】年収別の「実質手残り」比較表

三重県在住、40歳未満のパート・副業層を想定して試算しました。

(※配偶者の扶養に入っている場合)

年収所得税・住民税社会保険料実質手残り経理マンの評価
103万円約0円0円約103万円コスパ最強。負担ゼロ。
120万円約2.5万円約18万円約99.5万円**【働き損】**103万より手残りが減る。
130万円約4万円約20万円約106万円103万と大差なし。時間の無駄。
160万円約7万円約23万円約130万円突き抜けた恩恵。将来の年金も増。

3. 予算経理が教える「損益分岐点」の超え方

「働き損」を避けるための計算式は、単純な給与額だけではありません。

(増える社会保険料 + 税金)<(増える給与 + 将来の年金増額分 + 福利厚生)

経理のロジックで言えば、社会保険料を払うことは**「自分への投資」**でもあります。

厚生年金に加入すれば将来の受給額が増え、健康保険に加入すれば「傷病手当金」などの保障が手厚くなります。

「今の手残り」だけを見るなら103万円が最強ですが、**「人生全体のキャッシュフロー」**で考えるなら、160万円以上を目指してフルタイムや高単価な副業へシフトするのが正解です。


4. 副業層が注意すべき「事業所得」と「給与所得」の合算バグ

最近増えている「会社員をしながら副業」という方も、この壁が無関係ではありません。

副業が「給与所得(パート・アルバイト)」の場合、本業と合算されて税率が跳ね上がるケースがあります。逆に「事業所得」であれば、経費計上によって**「手残りの最大化」**をコントロールできる余地が生まれます。

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仮想通貨の確定申告。経理職の僕が実際にやって分かった「税金計算」の落とし穴(#20)


結論:あなたの「時給」を最大化する働き方を

家計管理は、単に支出を削る「守り」だけではありません。制度を理解し、自分の労働力という「リソース」をどの年収帯に配置するかを決める**「経営判断」**です。

  • 月8万円程度でゆとりを持ちたい → 103万円以下をキープ
  • しっかり稼いで資産を築きたい → 160万円以上へ突き抜ける

中途半端な「壁」に翻弄されて、あなたの貴重な時間を「調整」に使うのはもったいない。まずは一度、自分の去年の源泉徴収票を確認し、今の働き方が「損益分岐点」のどちら側にいるかチェックしてみてください。

29歳・資産1000万。予算経理の僕が「家計の損益分岐点」を計算して捨てた3つの常識(#01)


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