「この人、医療保険に3つも入っているけれど、中身は全部同じじゃないか……?」
年末調整の時期、山のように積まれた「給与所得者の保険料控除申告書」を一枚ずつ点検していると、そんな光景によく出くわします。
多くの人が、保険の「本体」だけでなく、細かい「特約」の内容まで把握せずに契約しています。その結果、**「同じ保障に二重、三重にお金を払っている」**という、経理的に見れば実にもったいない事態が起きているのです。
今回は、年調担当の僕が書類の裏側で気づいた「よくある重複」と、賢い削り方を解説します。
1. 医療保険とがん保険の「入院日額」の重複
最も多いのが、医療保険とがん保険の両方で「入院1日につき1万円」といった給付金を設定しているケースです。
- 実務での気づき: がんも「病気」の一種ですから、医療保険でカバーされます。がん保険は「診断一時金(#14)」に特化させ、入院日額は医療保険に一本化するだけで、月数百円〜千円単位の節約になります。
- 解決策: どちらか一方の入院特約を外すか、[高額療養費制度(#13)]を前提に、入院日額そのものを減額することを検討しましょう。
2. クレジットカードや火災保険に潜む「個人賠償責任特約」
他人の物を壊したり、自転車で怪我をさせたりした時のための「個人賠償責任保険」。これ、実はあちこちに「おまけ」として付いています。
- 重複の温床: 自動車保険の特約、火災保険の特約、クレジットカードの付帯保険……。これらは1つ入っていれば家族全員をカバーできることが多いため、複数学んでいるのは完全な無駄です。
- 解決策: 最も補償額が大きく、条件の良いもの(例:自動車保険の特約など)を1つ残し、他はすべて解約しましょう。
3. 「先進医療特約」の複数加入
月100円程度と安いために見逃されがちですが、先進医療特約も重複しやすい項目です。
- 実務での気づき: 先進医療特約は「実費」を補償するものなので、2つの保険から二重に受け取ることは(原則として)できません。1つあれば十分です。
- 解決策: 終身(一生涯)続くメインの医療保険にだけ残し、他の特約は外してしまいましょう。
まとめ:年調書類は「家計の健康診断書」
年末調整の書類を書く作業を、単なる「面倒な手続き」で終わらせてはいけません。
- 自分が何の保険に入っているか書き出す
- 特約の名前を眺めて、似たような言葉がないか探す
- 「もしもの時」に2箇所から受け取れるのか、1箇所で十分なのかを疑う
このプロセスを一度踏むだけで、[月7,900円の保険料(#12)]のような、スリムで強固な家計インフラに近づけます。
保険料を削って浮いたお金は、[iDeCo(#16)]などの「自分を守るための資産」に再配置する。これこそが、僕たち夫婦が実践している家計の最適化です。
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保険という「守り」を固めたら、次は「攻め(節税・運用)」のステップへ進みましょう。
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