#11 年調担当が教える「生命保険の正解」。社会保険という最強の防弾チョッキを活かす数字の読み方

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「年末調整の書類をチェックしていると、あまりに多くの人が『保険料の払いすぎ』に陥っていることに驚きます。」

人事・給与計算の担当として、毎年何百人もの「保険料控除申告書」を見てきた僕が抱いているリアルな感想です。

「もしもの時が不安だから」と、月々1万円、2万円と民間保険に支払う。しかし、その「もしも」が起きた時、実はあなたが毎月給料から天引きされている**「社会保険」**が、驚くほど手厚く守ってくれることをご存知でしょうか?

今回は、年調担当の僕が自らの家計でも実践している、数字に基づいた「生命保険の正解」を公開します。


1. 毎月の給料から「最強の保険料」を既に払っている

給料明細を見て「社会保険料が高いな」と溜息をついたことはありませんか? 実は、あの高い保険料こそが、民間保険を圧倒する「最強の保障セット」への加入料です。

  • 健康保険(高額療養費制度): どんなに医療費がかかっても、自己負担には上限があります。
  • 遺族年金: 万が一の際、残された家族には国から年金が支給されます。
  • 傷病手当金: 病気やケガで働けなくなった際、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月間保障されます。

これらはすべて、あなたが会社員である限り「強制加入」している最強のセーフティネットです。この土台を知らずに民間保険を上乗せするのは、**「すでに一級品の防弾チョッキを着ているのに、その上からさらに厚手のコートを着込む」**ようなものです。


2. 多くの人が陥る「保険料控除」という本末転倒な罠

年末調整で数千円の税金が戻ってくる「保険料控除」。これを目当てに保険に入るのは、経理的な視点で見れば明らかな「バグ」です。

  • 還付金 vs 支払保険料: 数千円の還付金を得るために、年間10万円以上の保険料を払っていませんか? これは、**「100円の割引券をもらうために、1,000円余計に買い物をする」**のと同じです。
  • 控除の上限: どれだけ高い保険に入っても、控除対象となる金額には上限があります。上限を超えて払っている分には、税制上のメリットすらありません。

「税金が安くなるから」という甘い言葉に惑わされず、まずは「その支出自体が本当に必要か」という原点に立ち返る必要があります。


3. 「必要最低限」を数字で設計する

僕たち夫婦は、民間の生命保険をすべて否定しているわけではありません。大切なのは、**「公的保険で足りない分だけを、民間保険で補う」**という設計思想です。

  • 死亡保障: 遺族年金や今の貯蓄額を差し引き、本当に残された家族に必要なお金だけを「掛け捨て」で準備します。
  • 医療保障: 日本には「高額療養費制度」があるため、数百万円の貯蓄(生活防衛資金)があれば、多くの民間医療保険は不要になります。

僕自身、資産1,000万円を超えたことで「もしもの時は貯金で対応できる」という自信が生まれ、保険をさらにスリム化できました。


まとめ:不安を「数字」で解消しよう

「不安」は、正体がわからないからこそ膨らみます。しかし、給料明細と社会保険の仕組みを「数字」で理解すれば、その不安は一気に解消されます。

民間保険を解約して浮いた月1万円を[新NISA(#04)]に回せば、20年後には大きな資産となって、どんな保険よりもあなたを確実に守ってくれるはずです。

まずは今年の年末調整の控えを手に取って、自分が「何に、いくら払っているのか」を客観的に眺めることから始めてみませんか?


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具体的に僕たち夫婦がどのような基準で保険を選び、月々の固定費を抑えたのか。その内訳を公開します。

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