「銀行残高が増えていくのが、一番の安心だと思っていました。」
かつての僕は、通帳の数字が増えることだけをモチベーションに節約に励んでいました。しかし、予算管理や経理の仕事を通じて「数字の裏側」を見るようになり、その考えは180度変わりました。
現在、総資産が1,000万円を超えた僕のポートフォリオ(資産の内訳)において、純粋な「貯金(現金)」の割合はわずか**12%**程度です。
なぜ、僕はあえて貯めるのをやめたのか。今回は、予算経理の視点で実践している**「資産の再配置(リアロケーション)」**の戦略を詳しく解説します。
1. 現金は「安全な場所」ではなく「休憩所」
経理の実務で物価の動きを注視していると、現金の「弱点」が浮き彫りになります。
- インフレによる「目減り」: 10年前の100万円と、今の100万円では買えるものが違います。銀行に預けているだけでは、実質的に価値が目減りしているのと同じです。
- お金の「機会損失」: 会社経営でも、余剰資金をただ眠らせておくのは「攻めの投資」ができていない証拠。家計も同じで、働かないお金を放置することは、将来得られるはずだった利益を捨てていることになります。
僕は「貯金は生活防衛資金(数ヶ月分の生活費)があれば十分」と割り切り、それ以上はすべて**「お金が働く場所」**へ移動させることにしました。
2. プロの視点で使い分ける「3つの箱」
僕は資産を一括りにせず、役割に応じて3つの場所に再配置しています。
① 「守り」の現金(キャッシュ)
- 役割: 急な出費への備えと、心の安定。
- 配置: ネット銀行の普通預金。
- 経理的視点: 会社の「手元流動性」と同じです。すぐに動かせるお金を一定量確保することで、投資の波に一喜一憂しない土台を作ります。
② 「節税」の箱(iDeCo)
- 役割: 老後の備え + 「確実な節税」。
- 経理的視点: 年末調整の実務をやっているからこそ、iDeCoの「所得控除」による節税効果(=確実なリターン)は無視できません。 [→ iDeCo6年間の運用報告。元本72万が120万に化けた「設定して忘れる」全自動・資産形成術(#16)]
③ 「攻め」のエンジン(新NISA)
- 役割: 資産の最大化。
- 配置: 楽天証券(全世界株式/全米株式など)。
- 経理的視点: 運用益が非課税になる新NISAは、家計にとって「最強の補助金」のようなもの。ここに予算を集中投下することが、資産を加速させる最短ルートになります。
3. 仮想通貨も「戦略的資産」の一部
経理職としては意外に思われるかもしれませんが、僕はポートフォリオの約1割を仮想通貨に割り当てています。
- リスクとリターンのバランス: 株や現金とは異なる動きをする資産を混ぜることで、全体の成長率を底上げしています。
- 複雑な税金こそ「職能」を活かす: 仮想通貨の税金計算は複雑ですが、ここでも経理の知識が役に立ちます。 [→ 仮想通貨の確定申告。経理職の僕が実際にやって分かった「税金計算」の致命的な落とし穴(#20)]
まとめ:「貯める」から「働かせる」へ
「貯金」は目的地ではなく、次の投資へ向かうための「一時待機所」に過ぎません。
資産1,000万円を超えた今、僕が目指しているのは、通帳の数字を増やすことではなく、**「自分たちが働かなくても、資産が勝手に育っていくシステム」**を強固にすることです。
もしあなたが「貯金は増えたけれど、将来が不安」と感じているなら、それはお金が現金のまま「停滞」しているからかもしれません。
まずは、あなたの家計の「損益分岐点」を見極め、余剰資金を少しずつ「未来の自分」のために再配置してみませんか?
次に読んでほしい記事
資産の再配置が終わったら、次にすべきは「5年後の目標」を数字で描くことです。
- 35歳3000万へのロードマップ [→ 35歳3000万へのロードマップ。経理の僕が「5カ年家計計画書」で不安を数字に変える方法(#05)]

